ジム・トンプスン
ジェームズ・エルロイに出てくる、悪漢やならずものは最終的にはこんな自分でゴメン、だれか救って!と誰かに許しを請う感じがしたのですが、ジム・トンプスンの場合ははなっからそんな感情は捨ててしまっている登場人物が多いです。
全てをあきらめた後の自暴自棄、無計画。だらしのない下品な人間の、しごく人間らしい行動で話が進んで行きます。
で、大概の場合、ラストがこれまた酷いことになるんですね。読了後、必ずため息がでて胃の辺りが気持ち悪くなります。
二日酔いのような気分でしょうか、しかしこれだけ痛い目にあっているにもかかわらず次の日のビールがうまかったりする、そんな感じで拾い読みをしてしまいます。
人の心の闇とはそう遠くにない気にさせる作家です。
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