バタフライ・エフェクト

最近の時系列が飛んだり、交差したりとか(で、そこに感情移入できないとなおさら)の映画を見るのが少し苦手になってきたなか、この映画も評判になってるけどそんな感じの映画なんだろー、と薦めた人にぶつぶつ言いながら見ました。
で、見終わってうん、久しぶりに良い映画見たかなと。主人公の力についての謎解きをあえて追求せずに、世の人が常に思っている過去の後悔や挫折、決断による成功や失敗の苦悩をうまく取り込み、話にぐっと引き込まれます。途中、私は主人公が何度も何度も繰り返す不幸な結果に、ああもういいよ・・・、と一時停止をして一服してしまいましたが、最後の一番ツライ決断で納得行く形になったことがほっとしたというか。エンディングのあのさわやかさはかなり救われた気持ちになりました。

さてこの「バタフライ・エフェクト」、舞台となるサバービアにおいての子供達への影響について中心に描いている点がなかなか興味深かったです。閉鎖的なサバービアにおいて常に子供達はエッジに立たされており、そこであらゆる快楽や不道徳(こういう言葉が適切かどうかわかりませんが)にふける大人たちに振り回され、あるいはその影響で判断を誤って犠牲となっていくいう流れでした。この辺りを積極的にかつ押し付けがましくなく描いている点がとても好感が持てました。
サバービアを内側からさらけ出す映画は近年、珍しくなくなってきましたが、大体があまり後味が良くないもので、そういう意味ではこの作品はエンターテイメントとしてうまく映画に引き込みつつ、こういう話題をがっつり表現しているところもよかったかなと。

最後に、エリック・ストルツが出演していましたが、これがまた。
パルプ・フィクション」のプッシャーのLance役そのもので。笑える場面ではなかったのですが、個人的には爆笑でした。